2018年に続き、2年連続で「スパイダーマン・イヤー」となる2019年。
2019年3月8日(金)から公開される『スパイダーマン:スパイダーバース』を、3月1日の先行上映で鑑賞してきました。
ちょうどアカデミー賞長編アニメーション部門で受賞したばかりということで、先行上映を鑑賞できたのはかなりテンションが上がりました。
『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』、PS4専用ソフト『スパイダーマン』、『ヴェノム』とスパイダーマン作品が続いており、その流れで公開された『スパイダーマン:スパイダーバース』(以下『スパイダーバース』)。
海外での評価の高さやアカデミー賞を受賞したという功績から、かなり面白い作品であることは百も承知していましたが、実際に観てみると想像を超えた面白さでした。
そこで今回は、『スパイダーバース』の感想と解説をしていきます。
※記事の性質上、ネタバレを含みます。
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あらすじ
ニューヨークで警察官の父と優しい母親の元で暮らしてるマイルス・モラレスは、親の意向で超エリート学校に入学するも、どこか閉塞感を感じながら日々生活していました。
そんな折、特殊な遺伝子を持ったクモにかまれてしまい、スパイダーマンの能力を得ることになります。
その能力を受け止められずにいたマイルスですが、スパイダーマン(ピーター・パーカー)と出会い、彼が亡くなってからは彼の遺志を継いでいこうとしますが、スパイダーマンとして直面するさまざまな問題に対処しきれないでいます。
ですが、キングピンが歪めた別次元からやってきた他のスパイダーマンたちと出会うことで、「大いなる力には大いなる責任が伴う」という言葉の本質を学んでいくのです。
これは、スパイダーマンたちの活躍を描いた物語であり、そしてマイルス・モラレスという少年の成長の物語でもあります。
感想
まず最初に、『スパイダーバース』の感想を述べていきます。
結論から言うと、アカデミー賞は当然の傑作だということ。
まるでアニメだということを感じさせないハイクオリティな映像、個性的でありながらも他のキャラクターの個性を奪うことのないスパイダーマンたち、そしてマイルスという少年がスパイダーマン、そして人間として成長していく物語が、限られた時間の中でしっかりと描き出されています。
映像に関しては、IMAXの3Dで鑑賞したという点も大きいです。
スパイダーマンたちやニューヨークの街並み、異次元の描写などが巧に描き出されているので、3Dで観るとより情景をリアルに感じることができます。
『スパイダーバース』なので、それぞれ個性的なスパイダーマンが登場するは当たり前なのですが、その個性が他のスパイダーマンの個性を邪魔していないのが、本作の素晴らしいところです。
特に個性の強いスパイダーマン・ノワールやペニー・パーカー、スパイダーハムなどのスパイダーマンたちも、他のスパイダーマンの個性を打ち消すことなく、むしろ他のスパイダーマンたちとの違いで個性が輝くという感じが、観ていて伝わってきました。
個人的には、ペニー・パーカーがかわいらしく、スパイダーマン・ノワールが男らしくて印象的です。
そしてなんといっても、マイルスという一人の少年が視聴していく様は、見習うべきだなと感じる部分が多々ありました。
ピーターからの助言である「自分を信じて跳ぶ」という言葉を聞いた後のマイルスの言動が、普段私たちが忘れている「生きていくうえで大切なこと」を思い出させてくれるように感じます。
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解説
ここからは、私のわかる範囲で解説をしていきます。
スパイダーマンたち
まず最初は、『スパイダーバース』の肝であるスパイダーマンたちを紹介していきま
スパイダーマン(マイルス・モラレス)
『スパイダーバース』の主人公。
学業優秀の普通の高校生だが、特殊な遺伝子を持つクモにかまれて、スパイダーマンになります。
スパイダーマン同様の能力に加え、電気を放つヴェノム・ストライクや透明になる能力を有しています。
スパイダーマン(ピーター・パーカー)
私たちが知るもっとも有名なスパイダーマン。
『スパイダーバース』ではこのスパイダーマンが亡くなり、マイルスが跡を継ぐことになりますが、別次元からもこのスパイダーマンと同様のピーター・B・パーカーがやってきて、マイルスにスパイダーマンとしての基礎を教えます。
スパイダー・グウェン(グウェン・ステイシー)
本作のヒロインで、マイルスとは高校の同級生として登場します。
基本的な能力はスパイダーマンと変わりませんが、動きは優雅で、クールビューティです。
スパイダーマン・ノワール
1930年代からやってきたスパイダーマン。
探偵をしており、趣味の一つはナチスを倒すこと。
白黒の時代の人物ゆえ、色の識別が難しい模様。
ペニー・パーカー
はるか先の未来からやってきたスパイダーガール。
クモにかまれたのはペニーの父親だが、父が亡くなった後は彼が残したロボットを引き継ぎ、スパイダーマンとして活躍しています。
スーツの頭部にはクモがいて、そのクモとリンクすることでロボットを動かします。
スパイダーハム(ピーター・ポーカー)
クモではなく、特異なブタにかまれたスパイダーハム。
普通のスパイダーマンの能力に加え、黒い丸を投げてその中を通るというような能力も有しています。
サム・ライミ版『スパイダーマン』の世界を経験しいる?
『スパイダーバース』の冒頭は、ピーター・パーカーの語りから始まりますが、この際に出てくる映像の中に、サム・ライミ監督の『スパイダーマン』シリーズにあったシーンが登場しました。
そのシーンは、電車を止めるシーンと、腕を回しながら変なダンスをするシーンです。
電車を止めるシーンは、『スパイダーマン2』のドクター・オクタビアスとの戦闘中のシーンを連想させます。
また、腕を回しながらする変なダンスは、『スパイダーマン3』でピーターが「シンビオートスーツ」を着てテンションが上がっているときのシーンを思い出しました。
ゆえに、このマイルスの暮らす世界のピーター・パーカーは、サム・ライミ監督の『スパイダーマン』シリーズの延長線上にあるのではないかと考えたのです。
とはいえ、そこまで深い意味はなく、ただ過去の作品へのリスペクトを込めて描いたシーンであるかもしれません。
エンドロール後に登場するのは誰?
マーベル映画では欠かすことができない、エンドロール後の映像。
もちろん、『スパイダーバース』にもありました。
『スパイダーバース』のエンドロール後の映像には、なんとスパイダーマン2099(ミゲル・オハラ)が登場。
スパイダーマン2099↓
Visit the #MarvelPsychWard with #SpiderMan2099: http://t.co/44off5bUdf pic.twitter.com/jZ8gi2BZeb
— Marvel Entertainment (@Marvel) 2014年6月12日
本編に登場してもいいくらい有名で人気のあるスパイダーマンですが、まさかのオチとしての登場でした。
続編への伏線?
キングピンが歪めた時空のポータルを閉じて、それぞれ元の世界に戻ったスパイダーマンたち。
ですが、マイルスとグウェンは時空を超えて会話をしているような描写がありました。
これは、今後も『スパイダーバース』の世界を拡張していくことができる、言い換えれば続編を作ることができるということを表していると考えることもできます。
現実的な問題としても、海外での評価の高さとアカデミー賞の受賞などから興行収入もかなりの見込みなので、続編が作られる可能性は高いでしょう。
また、原作の『スパイダーバース』にはもっとたくさんのスパイダーマンがいるので、ネタはいくらでもあります。
『ヴェノムバース』との共演などで続編が作られたら面白いかもしれません。
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