近年、文系理系問わず、かなり多くの人が大卒(学士)をもっています。
もちろん高卒の人もたくさんいますが、それに負けないくらい大卒者が増えてきました。
ですが、文系の大学院(修士・博士)を卒業しているという人は、周りにはあまりいないのではないでしょうか。
そんな私は文系の大学院に通っていましたが、正直文系大学院への進学はあまり進められるものではありません。
なぜなら、ほんの一握りの人にしか、文系大学院に進学したメリットがないからです。
今回は、文系の大学院進学者、または進学を希望している人に、進学前に伝えたいことを述べていきます。
※本記事はあくまでも文系の大学院が対象です。理系は状況が全く違うので、本記事はあまり参考になりません。
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Contents
本当に進学したいのか?
最初に確認しなければならないのは、本当に大学院に進学したいのかということです。
言い換えれば、本気で研究に取り組み、何かしら新しい発見をしたいのかということになります。
もし大学と同じノリで文系大学院への進学を考えている場合、進学するのは辞めておいたほうがよいでしょう。
なぜなら、本当に研究意欲がないと、大学院で行っていく研究には、身も心ももたないからです。
特に、学会発表や論文提出などが近づくと、文系といえども寝れない日が続き、かなりきつい生活が続きます。
つまり、大学院進学にはそれなりの覚悟が必要だということです
それに耐えられるだけの精神力、ならびに研究に対する熱意があるのか、そして本当に研究がしたいのか、今一度よく考えてみてください。
大学院進学のメリットは?
では、文系の大学院に進学するメリットは何なのでしょうか。
それはずばり、自分がしたい研究を思いっきりできるということ。
研究意欲がある人にとっては、自分の研究を進めるために、教授や研究室仲間と議論が行え、さらにはさまざまな設備を利用することができる、まさに研究に最適な環境が整います。
また本当に上手くいけば、どこかの大学の教授のポスト、もしくは研究機関などに、しっかりと就職することができ、長い間安定して研究が行えます。
文系の大学院へ進学するメリットは、おそらくこのくらいでしょう。
大学院進学のデメリットは?
正直、文系大学院への進学に関しては、デメリットのほうが多いです。
デメリットはいくつかあるので、小分けにして紹介していきます。
その1:研究者にはなりにくい
まず最初のデメリットとして、研究者になるのはかなり難しいということを挙げます。
日本では、大学進学時で理系より文系に進む人が多いですね。
大学院に関しては理系の進学者のほうが多いですが、もともと多くの人がいる文系からの大学院進学者もそれなりにいます。
つまり、文系で研究者を志す人はそれなりに多いということです。
その研究者の卵たちが研究者のポストをかけて争うことになりますが、研究者のポスト自体もなかなか空きません。
極端な話、例えば一度大学の教授になった人が、ろくに最新の研究を発表しなかったとしても、大学から解雇されることはなく、定年を迎えるか亡くなるまでは、ほとんどそのポストを空けません。
つまり、研究者が増えても、その研究者たちが就職できるだけのポストがないのです。
ということは、空いたポストには入れるのは、かなり優秀で、本当に社会から望まれている研究をしている人だけですね。
実際、文系の大学院を修了してから非常勤講師どまりの人もいれば、非常勤のポストすらないという人もざらではありません。
このように、文系はかなりの研究者層を抱えているので、この中で勝ち上がっていくことができるかどうかで、研究者になれるかどうかが変わってきます。
その2:就職もしにくい
文系大学院に進学した場合、一般就職もしにくいです。
一般的に、多くの企業で、文系大学院卒業者は煙たガれる傾向にあります。
その理由は、論理的でプライドが高そうなうえ、大卒者よりも高い給料を払わなければならないからです。
前半部分は日本社会が抱えている偏見にすぎませんが、後半の給料の面は企業にとっては死活問題。
大卒者を企業が募集しているということは、その企業の仕事は大卒でもできるということです。
もっと平たく言えば、大学院を終了している必要がないということです。
そうなった場合、少し高い給料を払わなければならない大学院修了者よりも、普通の給料を払うだけで雇える大卒者を企業は雇いますよね。
なので、文系の大学院に進学したけどやっぱり一般就職したいという場合、大卒者よりも就職はしにくくなります。
その3:結局みられるのは「大学名」
文系大学院を修了しても、結局社会でみられるのは「大学名」です。
また極端な話ですが、例えば、俗に言うFラン大学を卒業して東京大学の大学院に進学した場合でも、みられるのは「東京大学大学院」ではなく「Fラン大学」のほう。
まあ、実際東京大学の大学院に進学した場合は、かなり世間的には評価も上がるでしょう。
ですが、例えばFランからMARCHくらいのレベルの大学院に進学しても、世間的にはFラン大学出身者と認知されます。
これは実際に私が経験していることです。
このように、レベルが上の他大学に進学したとしても、みられるのは「大学名」なのです。
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それでも大学院に行きたい人
ここまで丁寧に読んでいただいても、なお文系大学院への進学を希望する人は、ぜひともアメリカ合衆国をはじめとする海外の大学院へ進学してください。
特に、国外に関する研究をする人は、その研究対象の地域の大学院に進学し、その地で学んでくるべきです。
また文系の場合は、日本に関すること以外は海外のほうが研究が盛んなので、ぜひ海外の大学院に進学してください。
実際、日本の研究者ポストをかけた争いでは、研究対象地域でしっかり研究をしてきた人が、しっかりと研究者のポストを勝ち取っています。
要するに、日本の大学をはじめとする研究機関は、海外で研究をしてきた人を雇いたいということなのです。
まとめ
文系の大学院進学者、また進学を希望している人に向けて、日本の現状を踏まえつつ、伝えたいことを記述しました。
内容としては、大学院に進学する覚悟があるのか、進学のメリットとデメリット、そして海外の大学院のすすめでした。
デメリットの内容は、研究者になりにくいこと、就職しにくいこと、そして「大学名」が重視されることです。
冒頭でも述べましたが、正直私は文系大学院の進学はあまりおすすめはできません。
ですが、本気で研究したい人、研究者になりたい人は、覚悟をもって進学するべきだとも思っています。
なので、この記事が文系大学院進学者、進学希望者に少しでも役立ったらうれしいです。
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