最近ゲームのし過ぎで、ブログの更新が滞っています(笑)。
今回初めて、恩田陸さんの作品を読みました。
『MAZE』↓
本屋で本を見ているときにふと目に入ったのが、恩田陸さんの『MAZE(メイズ)』です。
ずっと前から恩田陸さんの作品を読みたいと思っていた際に『MAZE』をみつけ、何かの縁だと思って購入。
読んでみたら案の定、とんとん拍子で話が進んでいく、非常に面白いミステリー作品で、あっという間に読み終えました。
では、恩田陸さんの『MAZE』の感想を述べていきます。
※本記事の性質上、ネタバレを含みます。
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どんな話?
男なのに女言葉でしゃべる神原恵弥(かんばらめぐみ)という、神原恵弥というウイルスハンターを中心に描かれる物語。
恵弥は、恵弥と中学時代から同級生である満(みつる)を連れて、入ると人が消えてしまうという、中東にある白い建物の謎を解明しに行きます。
恵弥と満、そこにスコットとセリムという仲間も加わり、彼らは人間が消えてしまうという謎の解明に励みますが、白い建物内の通路が変化したりと、謎は深まるばかり。
白い建物で人間が消えるという謎、そしてその謎に挑む恵弥たちの物語は、どのような結末を迎えるのでしょうか。
読み進めるごとに謎が深まり、恐怖や緊張が伝わってくる、非常に読み応えのあるミステリー小説です。
感想※ネタバレ注意
上記のように、物語の舞台は中東にある白い遺跡。
その遺跡に入った人の中には、遺跡の中で消えて出てこなくなった人がいる。
一方で生きて出てこれた人もいることから、遺跡内で人間が消えてしまうことには、何かしらのルールがある。
『MAZE』のストーリーは、このルールを大前提として展開されていきます。
まずこの設定が、非常に面白いと思いませんか?
遺跡に入った人がなんの音沙汰もなく、その場からふっと消える。
ありそうで、意外とない設定です。
そしてこの設定が、『MAZE』のストーリーの最初から最後まで、読者を楽しませてくれることになります。
そして、ウイルスハンターの神原恵弥は、アメリカ合衆国の企業に勤めている人間で、人間が消えるルールの解明以外に、国家から依頼された特別な任務を請け負っています。
それは、この白い遺跡をどこかに移すこと。
さっそくネタバレですが、この遺跡は人が消える遺跡ではなく、アメリカ軍が中東地域を監視するために建造した、地下拠点だったのです。
そのため、満が遺跡の中に入ろうとするのを消えてしまっては困ると言って止め、中に入れないようにしていました。
そんな感じで、人が消える遺跡ではないというのが結論かと思いきや、ここでどんでん返しが来ます。
実は、昔は本当に人が消える遺跡で、人が消えると言ってあまり人が近寄らないのをいいことに、アメリカ合衆国が地下拠点を作ることにしたという展開でした。
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つまり、『MAZE』ではどんでん返しが繰り広げられるのです。
読者は「人間が消えるルール」を知りたくて続きを読んでいきますが、その真相たどり着くと思ったら、その遺跡はただの人工的な地下拠点だったと知ります。
そこで安心して読み進めていきますが、最後のほうで恵弥と満が地下に入ると、過去に遺跡の中で消えた人たちが突如現れます。
そこで、やっぱりこの遺跡では人が消えていたと、私たちに教えてくれるのです。
人が消えるというのを前提に読者を引き込み、いざ遺跡が人工的なものであると明かしておきながら、やっぱり昔は人が消えていたと、どんどんと展開が様変わりしていくので、読んでいてまったく飽きませんでした。
完全に恩田陸さんの思うつぼですね。
人工物と聞いて完全に安心してしまっていたので、結局人が消える遺跡というルールに戻った時は、はっとしてしまいました。
私個人的には、この恩田陸さんのストーリー展開は非常に面白く、ミステリー小説にはうってつけの手法ではないかとも思います。
また、『MAZE』ないでは登場人物がいろいろと人間が消えることに関して考察しますが、その考察の仕方と登場人物の話し方によって、かなり物語に洗脳されてしまいます。
そのため、人間が消えるという大前提が、本当に人が消えるのかという素朴な疑問を、一切感じさせないようにストーリーが書かれています。
これも恩田陸さんの手法ですね。
完全にやられました。
まとめると、恩田陸さんの『MAZE』は謎のどんでん返しが繰り広げられる、最高のミステリー小説になっています。
本格的なミステリーが読みたいという人におすすめです。
まとめ
恩田陸さんの『MAZE』は、本格的なミステリー小説です。
どんでん返しも起こるので、かなり読みごたえがあります。
恩田陸さんは『MAZE』以外にも多くの作品を出しているので、機会があったら他の作品も読んでみてください。
ちなみに、私は次回、神原恵弥シリーズである『クレオパトラの夢』というのを読んでみます。
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