最近、『STAR WARS™バトルフロントⅡ』や『ポケ森』のし過ぎで、なかなかブログの更新が進んでいません。
とはいえ、小説はちゃっかり読んでいます。
今回呼んだのは、内藤了さんの『ゴールデン・ブラッド』。
『ゴールデン・ブラッド』↓
『ゴールデン・ブラッド』は、2017年10月に発売されたばかりの、書きおろし小説です。
医療関係の専門用語が入っていたりもしましたが、かなり面白いミステリー小説でした。
今回は、『ゴールデン・ブラッド』の感想を述べていきます。
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どんな話?
消防士の向井圭吾は、東京五輪のプレマラソンの際に自爆テロに遭遇。
その際、圭吾は多くの人々の救助にあたり、何人もの命を救いました。。
同時に、人々の救助のために人工血液であるゴールデン・ブラッドが使われます。
一方、圭吾の妹の恵利はテロが起こった日に、テロとは関係ないところで亡くなってしましました。
それに拍車をかけるように、ゴールデン・ブラッドを輸血された患者たちも、同じような症状で亡くなってしまします。
妹の死の理由を探るため、圭吾はゴールデン・ブラッドについて調べていき、真相を求めていきますが…..
複雑な思惑が入り混じる、速読必須の医療ミステリーです。
感想※ネタバレ注意
内藤了さんの作品を読んだのは今回が初めてですが、かなり面白かったです。
おそらく、内藤了さんがしっかりと血液に関することを調べ、専門用語を登場人物たちに開設させながら話を展開させてくださったおかげで、私たち読者は物語に深くのめりこむことができるのだろうと思いました。
実際、内藤了さんは血液に関する学会に参加し、しっかりと勉強されています。
このような内藤了さんの勤勉さがあったからこそ、『ゴールデン・ブラッド』が面白い作品になったのでしょう。
とはいえ本書は、妹が亡くなった原因を突き止めていくサスペンス小説。
大切なのは、ストーリーがどのように展開され、誰のどのような思惑が、どのような結果を招いたかということ。
私たち読者が気になるのは、やはりこの点ですよね。
そういう意味でも、『ゴールデン・ブラッド』は読み応えのある作品でした。
ここでさっそくネタバレになります。
圭吾が妹の死とゴールデン・ブラッドの関係を探っていくうちに、実はゴールデン・ブラッドの提供者が妹自身だったということがわかりました。
しかも、妹がなくなったのは病院で輸血をしている最中だったということが判明。
加えて、ゴールデン・ブラッドを本当の意味で完成させるためのカギは、なんと圭吾の血に隠されていることもわかります。
つまり、本書は数々の謎を紐解いたうえで、しっかりとストーリーをきれいに完成させるピースを用意していたのです。
妹が亡くなった真相を晴らし、そのうえ本書の主題であるゴールデン・ブラッドの完成をも示唆させているところが、個人的にはよかったと思います。
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『ゴールデン・ブラッド』のストーリー内では、「日本では輸血用の血が慢性的に不足している」や「新薬の認可がおりづらい」など、実際の日本の現状と思しき内容も含まれています。
そのため、本書を読みながら少し考え事をしてしまいました。
「ゴールデン・ブラッド」を輸血された人が同じような症状で亡くなるということは、ゴールデン・ブラッドに欠陥があるということは、私たち読者も簡単に想像できますね。
ですが、ゴールデン・ブラッドを輸血することで目の前の人が助かるという場合、それに欠陥があると分かっていても、輸血してしまうものなのでしょうか。
本書では、何人かの人たちにゴールデン・ブラッドを投与してしまった後に、その副作用が出ているので、欠陥品だと分かったうえで輸血をしているわけではありません。
ですが逆だった場合、どうなのだろうと思いました。
重傷を負って命が危うい時に、ゴールデン・ブラッドで助かるのなら、輸血するのでしょうか。
「新薬の完成を待っている間にも、救える命が亡くなっている」という発言が本書内であったので、このように考えてしまいました。
正直、今の私のは個の答えは出せません。
ここは現代日本が抱えている、複雑な医療事情なのでしょう。
まとめると、『ゴールデン・ブラッド』は現代日本の医療事情を映した、裏の裏をかく医療ミステリー小説です。
かなり面白い作品尚で、ぜいひともご一読ください。
まとめ
内藤了さんの『ゴールデン・ブラッド』は、かなり面白い医療ミステリーでした。
何かしっかりとストーリーに軸があるミステリー小説を読みたいという人は、ぜひとも『ゴールデン・ブラッド』を読んでみてください。
また、『ゴールデン・ブラッド』以外にも内藤了さんの小説はいくつかあるようなので、ぜひとも読みましょう。
私も読んでみます。
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