2008年に公開された『アイアンマン』以降、数々の名作を生み出してきたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。
これまで公開されてきたMCU作品はすべて「同じ世界で起こった話」であり、時間軸を共有しています。
なので、それぞれのヒーローが活躍する話ではあるものの、MCU作品はすべて時間を共有しているわけです。
ですが、『スパイダーマン:ホームカミング』では「8年後」という時間の流れによって、MCU全体の時間軸とずれてしまっている箇所があります。
そこで今回は、この「8年後」問題について考察していきます。
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「8年後」問題とは?
最初に、ざっくりと『スパイダーマン:ホームカミング』の「8年後」問題についてまとめておきます。
『スパイダーマン:ホームカミング』では、ヴァルチャー(エイドリアン・トゥームス)の武器取引をスパイダーマンが止めるという話が描かれています。
ヴァルチャーが武器取引に手を出し始めたのは、2012年に公開された『アベンジャーズ』でロキがニューヨークを襲撃したことがきっかけ。
このニューヨーク襲撃事件の後、エイドリアン・トゥームスはがれきの処理を任されていましたが、トニー・スタークの援助を受けたダメージ・コントロール局の介入によって仕事を奪われてしまいます。
そこで、チタウリの残骸を用いて裏で武器を作り、それを販売して家族や仲間を守っていくことを決意しました。
そこから「8年後」の話が、『スパイダーマン:ホームカミング』のメインストーリーになります。
ですが、ここで「8年後」という表記がされていることで、MCU全体の時間軸に大きなずれが生じてしまったのです。
MCUの時間軸
では、上記の内容を踏まえたうえで、MCUの時間軸を確認していきます。
今回は、「8年後」問題に関係がある部分の時間軸を載せておきます。
- ロキがニューヨークを襲撃(2012年)
→エイドリアン・トゥームスががれきを撤去する仕事を任されるが、仕事を失い武器開発を始める - 「ソコヴィア協定」が理由で起こったアベンジャーズの内戦に、「賛成派」としてスパイダーマンが参戦(2016)
- トニーに自宅まで送り届けてもらったスパイダーマンは、ニューヨークでヒーロー活動を続け、ヴァルチャーの野望を阻止する(2016)
- アイアンマン、ドクター・ストレンジ、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとともに、タイタンでサノスと戦う(2017)
上記が、MCUの正式なタイムラインになります。
このタイムラインを確認すると、ヴァルチャーが武器商売を開始してからスパイダーマンの登場までには、たったの4年しかありません。
もしヴァルチャーが武器上倍を始めてから「8年後」だとすると、『スパイダーマン:ホームカミング』のストーリーは2020年の話ということになってしまうのです。
また、「シビルウォー」の後に自宅に送り届けてもらってから「2か月後」がヴァルチャーとの戦いになるので、「8年後」はいろいろなところに矛盾を生じさせてしまいます。
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「8年後」問題は伏線か?
MCUはかなりの作品を生み出してきているので、どこかに時間軸が狂ってしまうような大きなずれがあっても、仕方がないことだと思います。
実際、マーベル・スタジオも「8年後」問題については間違いだったと認めています。
ですが、これまで緻密にMCUの世界を作り上げてきて、さまざまなヒーローを集結させてきたマーベル・スタジオが、そのような簡単なミスをするとは思えません。
なので、これはもしかすると、フェイズ4以降のMCUへの伏線になるのではないかとも考えられます。
なぜなら、『シビルウォー:キャプテン・アメリカ』の1週間後の話であるはずの『ブラックパンサー』ですが、公式による時間軸によると、『ブラックパンサー』の内容は2017年の話であるとされています。
『スパイダーマン:ホームカミング』で間違いを犯したマーベル・スタジオが、再度『ブラックパンサー』で時間軸を狂わしてしまうようなミスを犯すでしょうか。
ここまでくると、もう何かの伏線があるのではないかと考えてしまいます。
『スパイダーマン:ホームカミング』と『ブラックパンサー』に共通する点は、どちらも『シビルウォー:キャプテン・アメリカ』の直後からストーリーが始まっていること。
ということは、『シビルウォー:キャプテン・アメリカ』の内容、およびその直後の描写自体がなくなってしまえば、時間軸のずれは解消されます。
また、スパイダーマンとブラックパンサーというヒーローに着目した場合は、ともに『シビルウォー:キャプテン・アメリカ』でMCUに初登場し、『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』で、サノスの「指パッチン」によって消えてしまったという点が共通しています。
ここからは完全に私の個人的な考察ですが、『アベンジャーズ:エンドゲーム』では、『シビルウォー:キャプテン・アメリカ』や『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』の内容が帳消しにされるイベントが起こるのではないでしょうか。
それこそ、サノスを倒すために過去にタイムトラベルした結果、「シビルウォー」は起こらず、サノスの脅威も未然に防げたという展開にできるはずです。
以上のことから、『スパイダーマン:ホームカミング』の「8年後」問題は、単純なマーベル・スタジオのミスというわけではなく、フェイズ4を見据えた伏線ではないかと考えられます。
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