井上さく子『保育士という生き方』感想(素人書評)

実は私、幼児と小学生のスイミングのインストラクターをしているのです。

毎日多くの子供たちと関わっており、泳ぎ方を教えるのはもちろん、しゃべったりしながら楽しくやっています。

とはいえ、かれこれ5年ほどこの仕事をしていますが、子供というのは難しいもので、なかなかこちらの思いを伝えられない時があります。

そこで、井上さく子さんの『保育士という生き方』という本を参考にしようと思い読んでみました。

『保育士という生き方』↓

40年ほど保育士をされていた方のおっしゃることを読んでみると、自分も子供たちとの関わり方で参考にしたいなと思う点がかなり見つかりました。

なので、今回は『保育士という生き方』の感想を述べていきます。

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感想

私自身いつも思うことですが、やはり子供は常にパワフル。

私は一時間のスイミング指導の間しか子供たちと触れ合う機会はないですが、保育士の方たちは8時間もの間子供たちと関わっています。

これはものすごく大変だということを、『保育士という生き方』を読んで再確認しました。

昨今「保育士不足」と言われていますが、その理由の一つがやはり「気疲れ」なのでしょう。

子供たちはなんだかんだ言ってもかわいいのですが、さすがにずっと一緒にいると気疲れしてしまいます。

なぜなら、子供の前では保育士は「先生」でいなければなりません。

また、昼食を子供たちと取る時間を保育士の「休憩時間」にあてられるという保育園もあるとのことなので、8時間ぶっ続けで子供の前にいるわけです。

そして子供たちが帰ると、保育士たちは残って事務作業をこなします。

このように、非常にハードな勤務体系を送っているとのこと。

なので、保育士になろうと思ったら、「子供が好き」というのは大前提で、常に保育士でいる「精神力」と「体力」も必要なのだということを感じました。

 
とまあ、保育士さんの現状を少し把握することができましたが、この本の魅力は「子供を中心に据えて保育をすることの大切さ」を伝えることです。

そんな本書の中で私が最も印象に残ったのは、「子供を信じる」ということ。

作者の井上さく子さんは、子供に対して「~してはダメ」や「~しなさい」など、禁止や命令の言葉を使わないようにしていると述べていました。

そのような言葉を使うよりも、「どうしたらいいと思う?」というように子供に尋ねるそうです。

そのように質問すると、子供はちゃんと自分なりに答えてくれ、こちらがしてほしくないこと、やってはいけないことなどを自然とこなしてくれるとのこと。

私自身、スイミングで子供とプールで遊んでいる際に、子供が危険なことをしようとするときは必ず注意しており、場合によっては少し厳しく怒っていました。

その際に、「~というりゆうでこれはしてはいけない」と教えていますが、この本を読んだ後、逆に「なんで~しちゃいけないと思う?」と質問してみました。

すると、子供たちは自分なりの考えをしっかりと答えてくれたのです。

私が注意するよりも効果的であったのだということがわかりました。

結局、子供と言えども、彼らは私たちと全く同じ人間なのです。

なので、根本的に「子供たちを信じる」という気持ちを、今後はより一層大切にしていかなければならないということに気づかされました。

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そして、保育でもスイミングでも、子供たちとの接し方は似ているのだとも思いました。

私は、スイミングは技術が3割、メンタルが7割だと思っています。

持論ですが、子供に泳ぎを教えることなんて、ちょっと頑張れば誰でもできるはずです。

指導者として大切なのは、「子供にどのように伝えるか」と「主体的にやらせる」ということ。

例えば、水を怖がっている子供に対して、「どのような言葉をかけて水慣れをさせるか」、クロールの呼吸ができない子に「ここをこうすると呼吸しやすいよ」と言ってチャレンジさせられるか、ここが指導者の腕の見せ所。

つまり、これらのことが水泳指導のメンタルの7割を占めているのです。

このメンタル面いかに支えてあげることができるのか、ここで指導者の質が問われます。

ということは、泳ぎを教えるうえでも、指導者が「子供を信じる」ということは大切な要素ですよね。

指導者の質は、メンタル面をいかに支えてあげられるかだということを再確認しました。

 
私も5年ほど子供たちと関わってきて、今の仕事に非常にやりがいを感じていますが、やはり子供との関わり方は日々悩んでいます。

「もっとこう言ってあげればよかったんじゃないか」、「こうしてあげればよかった」など、毎日帰りがけに気にかけたりすることもしょっちゅうです。

ですが一番大切なのは、「子供を信じること」これにつきます。

『保育士という生き方』を読んで、そのことを学ぶことができました。

私も、指導者として常に成長できるように頑張っていきます。

まとめ

『保育士という生き方』は、子供に対してどのように接するべきなのかということを考えさせてくれる、人間として一歩先に進める内容になっています。

保育士になりたい方、興味がある方は、はたまた子育てに悩んでいる人は、是非とも読んだほうがいい本です。

また、私のように子供と関わることがある人にも、ぜひとも読んでもらいたいと思います。

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